アピチャッポン・ウィーラセタクンは、2021年11月に和歌山県田辺市・白浜町にて開催された紀南アートウィーク2021にて、田辺市高山寺会場にて「My Mother’s Garden」を展示し、その作品に触れた方もいらっしゃるかと思います。
昨年、カンヌ映画祭で審査員賞を獲得し、カンヌ4冠の称号を得たアピチャッポン・ウィーラセタクンの新作「メモリア」がこの3月より日本でも公開されています。映画作家としても、現代アーティストとしても、世界的に注目されるアピチャッポン・ウィーラセタクンですが、日本の地方において、その作品に触れる機会はほぼありません。しかしながら、アピチャッポン・ウィーラセタクンの関心は、いわゆる「周縁」「異界」「精霊」等といったものに注がれています。タイの地方から作品を発表し、国際的に認められているアピチャッポン作品を通じて、ここ紀南や熊野の魅力や個性を発掘し、その価値を世界に発信するための原体験をされてみませんか?
2022/6/5(日)『ブンミおじさんの森』上映会13:00〜 上映後 講演会・座談会① 16:00〜
2022/6/12(日)『光りの墓』上映会 13:00〜 上映後 講演会・座談会② 16:00〜
上映会+講演会 2,500円/回
上映会のみ、講演会のみ 各1,500円/回
※上映会、講演会共に高校生以下無料
講演会アーカイブ視聴 1,000円/回
①「アピチャッポン その魅力」 2022/6/5(日)
講師:中村紀彦
座談会:中村 紀彦氏(アピチャッポン研究家)、武井 みゆき氏(配給会社ムヴィオラ代表)、林 憲昭(田並劇場)、藪本 雄登(紀南アートウィーク)
内容:アピチャッポン特集の導入ともなる講演会となります。アピチャッポン・ウィーラセタクンに関する馴染みの無い方々に、その過去作品の紹介、新作等の魅力を伝えることを主眼に座談会を行います。日本唯一のアピチャッポン研究家の中村紀彦氏、配給会社ムヴィオラ代表の武井みゆき氏をゲストとして招待し、その魅力について語り合います。また、講演の導入には、中村氏から「アピチャッポン・ウィーラセタクン クロニクル」と題した講義をお願いする予定です。
②「アピチャッポンと熊野 -アニミズムの世界へ-」 2022/6/12(日)
座談会:石倉敏明氏(秋田公立美術大学准教授)、藪本 雄登(紀南アートウィーク)
内容:紀南/熊野地域の歴史、文化とアピチャッポン作品には、何か親和性を感じられずにはいられません。2022年3月に発売された「ユリイカ 特集:アピチャッポン・ウィーラセタクン」に「異化されたゾミアの物語 -アピチャッポン・ウィーラセタクン『真夏の不思議な物体』をめぐって」を寄稿された秋田公立大学美術大学の石倉敏明先生(神話学者、芸術人類学者)をお招きし、熊野とアピチャッポンの思想の相違、類似やその魅力について語り合います。
タイ北東部のコンケンで育つ。1994年から映画やビデオの短編作品を作り始め、2000年に初の長編作品を完成させる。また、1998年以降、多くの国で展覧会やインスタレーションを行っており、ウィーラセタクンの作品は、しばしば非線形で、強い価値転倒を生じさせ、記憶を扱い、個人的な政治や社会問題を扱っている。
ウィーラセタクンのアートプロジェクトと長編映画は、世界でも広く認知され、カンヌ映画祭の最高賞を含む多くの映画祭で賞を獲得している。『ブリスフリー・ユアーズ(2002年)』(2002)でカンヌ映画祭の「ある視点」部門賞、『トロピカル・マラディ(2004年)』で審査員賞を受賞。さらに2010年に制作された『ブンミおじさんの森』は、タイ人初となるカンヌ映画祭最高賞を受賞しており、最新作の『メモリア(2021年)』では、審査員賞を受賞し、カンヌ4冠となった。
田並劇場は、和歌山県串本町田並に、昭和25年頃に建てられた木造建造物です。昭和40年頃まで地元の劇場として機能していましたが、その後使われなくなります。廃墟となっていた劇場を、2014年から開始した「田並劇場再生プロジェクト」により、4年の歳月をかけ再生し地域の文化施設として復活しました。
現在では、月に1〜2回の映画上映会を始め、ライブイベントやパフォーマンス、田並劇場カフェ、造形教室、フラ教室など多目的な文化施設として使用し、再び人々が集う文化的な交流の場所として活用しています。
〒649-3515 和歌山県東牟婁郡串本町田並1547
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