『ヴァタ 〜箱あるいは体〜』上映会 2024/10/27

映画

『ヴァタ 〜箱あるいは体〜』上映会

2024年10月27日(日)
1回目10:00〜11:30 2回目14:00〜15:30 3回目18:00〜19:30(各30分前開場)
各回終了後に亀井岳監督トークあり

大人1500円 高校生以下無料

「ギターマダガスカル」の亀井岳監督が、音楽によって祖先と交わってきたマダガスカルの死生観をもとに、全編マダガスカルロケで撮りあげたロードムービー。

Introduction

高校時代からマダガスカルの音楽に魅せられてきた亀井岳。
旅と音楽をテーマに、ドキュメンタリーとドラマを融合させるスタイルで映画を監督してきた亀井は、2014年、2作目の「ギターマダガスカル」を完成させるも、撮影時にマダガスカルの南部で偶然出会った、遺骨を入れた箱を長距離に渡り徒歩で運ぶ人々のことが忘れられず、監督3作目もマダガスカルで製作することを決意。
音楽によって祖先と交わってきたマダガスカルの死生観を元に、家族を失った人々がその悲しみをどう乗り越えていくかという普遍的なテーマの映画を全編マダガスカルロケで、マダガスカル人のキャストのみで製作した。

Story

亡くなった人物の遺骨を、同郷の者が故郷へ持ち帰るしきたりのあるマダガスカル南東部の村。タンテリとザカ、スル、離れ小屋の親父の4人は、出稼ぎ先で亡くなったタンテリの姉ニリナの遺骨を取りに行くよう村の長老に命じられる。片道2、3日の距離にある村を目指し、それぞれ楽器を手に旅に出た彼らは、その道中で、出稼ぎに行ったまま消息不明になった家族を捜して旅するルカンガの名手レマニンジと出会う。

ProductionNote

『ギターマダガスカル』完成後、あらたな構想を元に2017年にロケハンを敢行した亀井は、“マダガスカルの人々が持つ死生観”と音楽を主題に、ここでしか描けない自身初となる劇映画脚本を練り上げる。「出会った人々と一緒に制作する」というこれまでに培ってきたスタイルをより発展させるべく、ひたすらコンテを描き続けた。2018年夏、マダガスカルの位置する南半球は乾季。祭事が多いこのベストなタイミングでクランクインを敢行。撮影チームは、南部の主要都市であるフォールドーファンから北東へ半日移動したマナンテンナを目指す。30名近いクルー&キャストの中で、日本人は、監督、プロデューサー、撮影監督、音楽監督の4人のみ。拠点から離れればテント泊をし、料理人が生きた鶏を持参し調理しながらの撮影となる。ロケ地では、その地の長老に映画の概念をじっくりと説明してから撮影を行ったが、予期せぬキャストの失踪、ダニ、ノミなどの襲撃、山賊との遭遇などハプニングの連続となる。
このような環境の中でも無事クランクアップできたのは、撮影以外の時間でも常に音楽が演奏され、チームがその瞬間を共有し、一体となることができたからに他ならない。日本とマダガスカルの真の合作となった本作の製作は、映画本編さながらの「旅」そのものと言える。

「ギターマダガスカル」に出演したミュージシャン・トミノの一族の3人がタンテリ、ザカ、スルを演じ、離れ小屋の親父役にはバンド「タリカ・サミー」のサミー、レマニンジ役にはマダカスカルの各地方を代表するミュージシャンで結成された「Ny Maragasy ORKESTRA」のメンバーに選出されたアンタンルイ族のレマニンジを起用。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022で長編部門の観客賞を受賞。

亀井 岳
映画監督・映像作家
金沢美術工芸大学大学院卒。造形から映像に表現方法を移す。モンゴルを旅して出会った伝統音楽をもとに、『チャンドマニ 〜モンゴル ホーミーの源流へ〜』(2010年)で長編映画デビュー。積年の想いを経てインド洋に浮かぶ島、マダガスカルの音楽をテーマにした『ギターマダガスカル』(2014年)を製作。その地に営む人々と自然との関わりから育まれる文化をテーマに目に見えないものを表現する。

田並劇場

田並劇場

本州最先端、和歌山県は串本町にある古い劇場をリノベーションし、2018年よりアトリエ、シアター、cafeとして運営しています。 〒649-3515 和歌山県東牟婁郡串本町田並1547 TEL 0735-70-1046 お問合せMail tacota@tanami.jp

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