映画『彷徨える河』上映会
2024年11月24日(日)
1回目9:30〜11:45、2回目13:00〜15:15 3回目18:00〜20:15
『彷徨える河』
コロンビアの鬼才シーロ・ゲーラが描く、深遠なるアマゾンを舞台にした失われゆくものの物語
Introduction
20世紀初頭と中盤にアマゾンに足を踏み入れた二人の実在した白人探検家の手記に触発されて作られた本作は、一人の先住民を船頭にして二つの時代を往来する、マジックリアリズムに彩られた物語。美しいモノクロームの映像、情感あふれる多層に重ねられた音、そして唯一無二の世界観が、失われた先住民の“記憶”をスクリーンに強烈に焼き付ける。監督は米エンターテインメント業界紙Varietyにて、「2016年に注目すべき監督10人」に選出されるなど、近年世界的な注目を受けているコロンビアの俊英、シーロ・ゲーラ。
Story
アマゾン流域の奥深いジャングル。侵略者によって滅ぼされた先住民族の村、唯一の生き残りとして他者と交わることなく孤独に生きているカラマカテ。ある日、不思議な呪術をあやつる彼を頼り、重篤な病に侵されたドイツ人民族学者がやってくる。白人を忌み嫌うカラマカテは一度は治療を拒否するが病を治す唯一の手段となる幻の聖なる植物ヤクルナを求めて、カヌーを漕ぎ出す。数十年後、孤独によって記憶や感情を失ったカラマカテは、ヤクルナを求めるアメリカ人植物学者との出会いによって再び旅に出る。過去と現在、二つの時が交錯する中で、カラマカテたちは、狂気、幻影、混沌が蔓延するアマゾンの深部を遡上する。彼らが向かう闇の奥にあるものとは…。
監督:シーロ・ゲーラ Ciro Guerra
1981年、コロンビアのリオ・デ・オロ生まれ。コロンビア国立大学で映画・テレビ制作を学び、短編映画を数本制作した後、初の長編映画『Wandering Shadows』(2004) を制作。トライベッカ映画祭やロカルノ国際映画祭など60以上の映画祭に出品され、9つの賞を受賞。2作目の長編『The Wind Journeys』(2009)は、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出され、ローマ市賞を受賞。90以上の映画祭に出品され、6つの賞を受賞。また、コロンビアの批評家らによるコロンビア映画史における10本の最も重要な作品として選出される。本作『彷徨える河』は長編3本目となる。これまでの3作品はすべてアカデミー賞®外国語映画賞のコロンビア代表となり、本作はコロンビア史上初の同賞最終ノミネート作品となる。近年、彼の評価は急速に高まっており、米エンターテインメント業界紙Varietyにて「2016年に注目すべき監督10人」に選出されるなど、世界的に注目されている。現在、ハリウッド製作による新作の企画が進行中。
監督・脚本:シーロ・ゲーラ 出演:ヤン・ベイヴート、ブリオン・デイビス、アントニオ・ボリバル・サルバドール、ニルビオ・トーレス
2015年/コロンビアベネズエラアルゼンチン/B&W+color /2.35:1/124分 原題:El abrazo de la serpiente 日本語字幕:小尾恵理
配給:トレノバ、ディレクターズ・ユニブ 後援:コロンビア大使館