田並劇場名画セレクション『ルナ・パパ』
2026年2月23日(月・祝/天皇誕生日)
12:00〜14:00 15:00〜17:00(各開場30分前)
大人1800円 大高中1000円 小学生以下無料


Introduction
日常の小さな冒険やちょっとした驚きをユーモアですくいとり、中央アジアのおおらかな大地にファンタジックな世界を生みだしたバフティヤル・フドイナザーロフ監督。1991年、ソビエト連邦の解体により母国タジキスタンが独立したその年に、弱冠26歳で軽やかにデビュー。のちに勃発した内戦中も映画を撮り続け、6本の長編映画を遺し49歳の若さで急逝した。フドイナザーロフ作品の人々は、たとえ内戦下にあっても笑い、怒り、恋をし、そして旅に出る。ひたむきで逞しい彼らがおりなす、ゆかいで切ない夢のような物語は、普遍的なきらめきを放ち世界中のファンに愛されました。




Story
マムラカットは女優を夢見る17歳の少女。ある月の晩、暗闇から声をかけてきた男の子どもを宿してしまうが、男は忽然と姿を消す。古いしきたりの村で周囲から冷たい仕打ちを受けるなか、マムラカットは父と兄とともに男を探す旅に出る。シャガールの絵画のように美しい村を舞台に、未来を切り開こうとする少女がくり広げる荒唐無稽な極上のファンタジー。マムラカットは「国家」「大地」を意味する言葉。
監督:バフティヤル・フドイナザーロフ
出演:チュルパン・ハマートヴァ、モーリッツ・ブライプトロイ、アト・ムハメドシャノフ
1999年/ドイツ・オーストリア・日本合作/110分/カラー/1:1.66/ドルビーSRD/原題:Luna Papa
1999年ヴェネツィア国際映画祭正式出品
1999年東京国際映画祭最優秀芸術貢献賞
1999年ナント三大陸映画祭グランプリ、観客賞
バフティヤル・フドイナザーロフ Bakhtiyar Khudoinazarov
1965年6月29日タジキスタン共和国ドゥシャンベ生まれ。ドゥシャンベの国立ラジオ・テレビ委員会でのジャーナリストや、子供向けテレビ番組の脚本や助監督を務めた後、20歳でモスクワの全ロシア国立映画学校(VGIK)の監督科に入学。在学中にいくつかの短編を制作する。卒業後ドゥシャンベに戻り26歳の時に撮った初長編作品『少年、機関車に乗る』がトリノ国際映画祭、マンハイム国際映画祭、ナント国際映画祭でグランプリを受賞、またベルリン国際映画祭や香港国際映画祭へも出品され世界の映画シーンに軽やかにデビューした。93 年、長編2作目の『コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗って』で見事ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞。同年にドイツのベルリンに移住するがその後も中央アジアでの映画制作を続ける。99年の『ルナ・パパ』もヴェネツィア国際映画祭に出品されたほか、東京国際映画祭優秀芸術貢献賞など数々の映画祭で受賞し、世界的にヒットを記録した。02年の『スーツ』(劇場未公開)では東京国際映画祭審査員特別賞、優秀芸術貢献賞をダブル受賞。2015年4月21日にベルリンで死去。享年49歳。