田並劇場名画セレクション『ストーカー』
2022年11月20日(日) 13:00開場 14:00〜16:45 大人1500円 高校生以下無料
解説
『ストーカー』は、SF映画を語るうえで避けることのできない『惑星ソラリス』のアンドレイ・タルコフスキー監督2本目のSF大作である。原作は、ロシアSF界の第一人者であり、スタニスワフ・レムと共に旧共産圏SFの代表的作家、アルカージーとボリスのストルガツキー兄弟(邦訳に「神様はつらい」「収容所惑星」ほか)の「路傍のピクニック」。脚本も原作者自らの書き下ろしである。
『惑星ソラリス』でも、タルコフスキー監督の関心の的は理性ある海を持つ謎の惑星ソラリスの実体そのものにはなく、むしろ宇宙征服に挑む人間の内面に向けられていたが、『ストーカー』でもそうした監督の態度に変りはない。そして、ここでもタルコフスキーは、 雨、水、火等、彼独特の映像言語を駆使し、極端に少ないカット数(『惑星ソラリス』の約半分)で、この地上に忽然と現出した不可解な ゾーンに──それは宇宙人の痕跡か、隕石の落下かわからないのだが──禁を犯して踏みこむ3人の男たちを通して、現代の苦悩と未 来の希望を探り、現代人の生き方を問いかける。
STORY
隕石の落下か? それとも宇宙人の来訪か? 何が起ったのかわ、からないがある小国にゾーンと呼ばれる不可思議な地域があった。そこにはただちに軍隊が派遣されたが、兵士は一人として帰還しなかった。ゾーンには鉄条 網が張られ、警戒厳重な警備隊がゾーンを守っていた。だが、このゾーン内には、人間の一番切実な望みをかなえる「部屋」があるといわれていた。そこで、禁を犯してゾーンに侵入しようとする者たちが現われる。彼らを「部屋」まで案内する者はストーカー(密猟者)と呼ばれた。
アンドレイ・タルコフスキー監督
ロシアの映画監督アンドレイ・タルコフスキーは、「映像の詩人」と呼ばれ、叙情的とも言える自然描写、とりわけ「水」の象徴性を巧みに利用した独特の映像美で知られる。深い精神性を探求し、後期から晩年にかけて、人類の救済をテーマとした作品を制作・監督する。表現の自由を求めてソ連から亡命し、故郷に還ることなく、パリにて54歳で客死する。
監督:アンドレイ・タルコフスキー | 脚本:アルカージー・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキー | 撮影:アレクサンドル・クニャジンスキー | 音楽:エドゥアルド・アルテミエフ | 美術:アンドレイ・タルコフスキー | 詩:フョードル・チュッチェフ、アルセニー・タルコフスキー | 出演:アレクサンドル・カイダノフスキー、アリーサ・フレインドリフ、アナトリー・ソロニーツィン、ニコライ・グリニコ
1979年 | カラー | デジタル | スタンダード | 163分 原作:ストルガツキー兄弟『路傍のピクニック』 | 配給:パンドラ